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一般・専任の違いは?媒介契約の基礎と売却活動のチェックポイント

2026.01.20

「媒介契約の種類によって売れ行きや手間がどう変わるのかよく分からないな…」
「連絡が少なくて状況が見えないけれど、このまま任せていて大丈夫かな…」

初めての不動産売却では、売却の段取りや媒介契約などの用語が分かりにくく、手続きや連絡の進め方に不安を感じやすくなります。

この記事では、媒介契約ごとの特徴や適切な報告の頻度を整理し、現状を正しく把握するためのポイントを解説します。不動産会社と良い関係を作り、必要な情報を効率よく受け取ることで、忙しい中でも納得できる売却活動ができます。

媒介契約は、依頼できる会社数や報告頻度で進め方が変わります。全体像を先に整理したい方は、こちらも参考にしてください。
不動産売却で失敗しない不動産会社選びと媒介契約の完全ガイド

媒介契約の種類と売却活動の違い


不動産会社に売却を依頼する際、最初に結ぶ契約を媒介契約と呼びます。

この契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ活動の進め方やルールが異なります。

種類によって、依頼できる不動産会社の数や、売主への活動報告の頻度が変わります。自分に合った契約を選ぶために、まずはそれぞれの特徴と違いを整理しましょう。

一般媒介と専任媒介と専属専任媒介の違い

3つの契約形態の主な違いは、複数社への依頼が可能かどうか、自分で見つけた買主と契約できるか(自己発見取引)、活動報告の頻度の3点です。

売却活動をどこまで自分でコントロールするか、不動産会社からどれだけ詳しく報告を受けるかが変わります。

各契約の特徴をまとめた比較表は以下のとおりです。

項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
複数社への依頼可能不可不可
自己発見取引可能可能不可
契約の有効期間3ヶ月以内3ヶ月以内3ヶ月以内
指定流通機構(レインズ)への登録義務なし契約から7日以内契約から5日以内
売主への報告頻度義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上

一般媒介契約は自由度が高い反面、不動産会社からの報告義務がありません。

そのため、活動状況が見えにくくなる可能性があります。

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、依頼先が1社に限定されます。

その代わり、不動産会社は売主に対して定期的な活動報告を行い、レインズ(不動産流通標準情報システム※1)へ物件情報を登録する義務を負います。

レインズに登録されると、全国の不動産会社が物件情報を閲覧できるようになり、広く買主を探せる仕組みです。

※1参照元:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ

自分の売却方針に合う選び方

どの契約が適しているかは、物件の条件や売主の生活スタイルによって判断が分かれます。

人気エリアの物件や築浅のマンションなど、多くの問い合わせが見込まれる場合、売主は一般媒介契約を検討できます。

複数の不動産会社がそれぞれの顧客に紹介するため、条件の良い買主と早期に出会える確率が高まります。

仕事が忙しく連絡の窓口を一本化したい場合や、販売状況を細かく把握したい場合は専任媒介契約または専属専任媒介契約が向いています。

1社の担当者が責任を持って活動し、定期的に報告書が届くため、進捗管理の手間を省けます。連絡頻度や報告内容に不安がある方は、報告義務のある専任系の契約を選ぶと計画を立てやすくなります。

契約前後で確認しておきたい項目

どの媒介契約を選んだとしても、売却活動を始める前に不動産会社の担当者と連絡や報告のルールを決めておきます。

報告義務のない一般媒介契約であっても、任意の報告をお願いすることは可能です。

以下の項目を契約前に決めておきましょう。

・報告の手段:メール、電話、対面、チャットツールなど
・連絡がつきやすい曜日や時間帯
・不動産会社の定休日

専任媒介契約では2週間に1回以上の報告が法令で定められていますが、この頻度は最低限のルールです。

「毎週金曜日にメールで状況を知らせてほしい」といった要望があれば、契約時に伝えておくと対応してもらいやすくなります。

仕事中に電話対応が難しい場合は、「報告は原則メール、緊急の確認事項のみ電話」と決めておくと、負担を抑えて売却活動を進められます。


一般・専任・専属専任の違いを、選び方の視点で整理したい場合は、以下の記事も参考になります。
媒介契約の種類と違い|一般・専任・専属専任の選び方と囲い込み対策

売却の進み具合を正しくつかむための情報共有

売却活動が始まると、不動産会社から定期的な報告が届きます。ただ「問題ありません」だけの報告では、問い合わせ数や内見数が増えているのか判断できません。

事前に報告項目を決めておけば、活動の実態を数字で確認できます。

不動産会社と共有する3つのポイント

報告を受ける際は、次の3つのポイントを意識すると活動の全体像が見えてきます。

ポイント1広告の掲載状況

ポータルサイト(SUUMOやathomeなど)に登録されているか、写真や図面が見やすく載っているかを確認します。特に写真は、買主が最初に目にする重要な情報です。明るさやアングルなど、室内の広さが伝わる構図になっているかチェックしましょう。

ポイント2買主候補からの反応

問い合わせの件数だけでなく、資料請求の数や、実際に現地を見た内見の数も数字で共有してもらいます。「先週に比べて問い合わせが増えた」「内見希望は入るが日程が合わなかった」など、数字の変化とその背景を見ることで、関心が集まっているかどうかが分かります。

ポイント3不動産会社の具体的な動き

チラシ配布や既存顧客への紹介など、担当者が実施した営業活動の内容を確認します。

具体的な行動が見えれば、活動が停滞していないかチェックできます。

もし活動量が少ないと感じたら、担当者に具体的な販売計画を質問してみましょう。

連絡の頻度と連絡方法を先に決めて行き違いを減らす

連絡の遅れや行き違いを防ぐには、情報の緊急度に合わせて連絡手段を使い分けます。

すべての連絡を電話で受けると、仕事や家事の妨げになる場合があります。

例えば、以下のようにルールを決めておくと、やり取りがスムーズになります。

・週に一度の活動報告や相談事項はメールで受け取る(記録に残す)
・内見の希望が入った際の日程調整はチャットツールを使う(早めのレスポンス)
・購入の申し込み(買付証明書)が入ったときは電話をもらう(緊急度が高い)

メールやチャットを活用すれば、「言った言わない」のトラブルも記録で防げます。

夫婦や家族で売却を進める場合は、誰をメインの窓口にするかも決めておきます。

窓口を一本化すれば、伝言ミスや確認漏れを防げます。

売主側の情報をまとめて渡して確認を早くする

不動産会社が買主からの質問に即答できるよう、物件の詳細な情報を整理して渡しておきます。回答待ちの時間が減れば、買主候補が他の物件に流れるのを防げます。

具体的に用意しておきたい情報は以下のとおりです。

・購入時のパンフレットや間取り図
・設備の取扱説明書や保証書
・過去のリフォームや修繕の履歴(時期と内容)
・管理規約や使用細則(マンションの場合)

特に修繕履歴は、建物の状態を判断する際に買主が注目します。

「5年前に給湯器を交換した」「昨年、外壁の塗装を行った」といった記録があれば、買主は安心して検討を進められます。

アピールできる情報は、些細な内容でも担当者に伝えておきましょう。

定期連絡で確認するポイント

不動産会社からの定期報告は、単なる結果通知ではありません。次の戦略を練るための判断材料です。

報告書を受け取ったら、数字の変化や買主候補の反応から、どこに課題があるかを確認します。

問い合わせ・内見・申込みの数を見て次の対応を考える

売却活動の進み具合は、問い合わせ数、内見数、購入申込み数の3つの数字に表れます。問い合わせ・内見・申込みのうち、どの段階で止まっているかで、見直すポイントが変わります。

数字の推移から分かる課題の例は以下のとおりです。

問い合わせが少ない場合:物件の存在が知られていない、または価格が相場と合っていない可能性があります。広告の露出を増やすか、価格の見直しが必要です。
内見が入らない場合:広告の写真や図面が魅力的でない、または間取りが条件に合わないケースがあります。写真の撮り直しや、キャッチコピーの変更を検討します。
内見はあるが契約にならない場合:室内の状態や設備、周辺環境などの現地で分かる要素に懸念を持たれています。

掃除や整理整頓を徹底するか、少しの修繕で印象を変える工夫が有効です。

どの段階で反応が止まっているかを確認し、不動産会社の担当者と具体的な改善策を話し合います。

内見後の感想を集めて課題を整理する

実際に物件を見た人の感想には、売却を成功させるヒントが隠れています。厳しい意見でも、担当者に断られた理由を具体的に確認してもらうと、改善点(掃除、家具の配置、クリーニングの要否など)が整理できます。

例えば「リビングが狭く感じた」という感想があれば、家具を減らして広く見せる工夫ができます。「水回りの古さが気になった」という声が多ければ、ハウスクリーニングを入れるなどの対策を検討できます。「日当たりが悪かった」などの変えられない要素であれば、価格で調整する判断材料になります。

担当者に「お客様は具体的にどこを気にしていましたか」と質問し、率直な意見を集めてもらいましょう。

掲載内容の更新を確認する

ポータルサイト上の情報は、一度掲載したら終わりではありません。問い合わせ状況を見ながら、写真や説明文を定期的に見直すことが大切です。

チェックする項目は以下のとおりです。

・トップ画像(1枚目の写真)は明るく、物件の魅力が伝わるものか
・おすすめポイントの説明文は、ターゲット層(ファミリーや単身者など)に響く内容か
・図面は家具の配置イメージが湧く見やすいものか

情報が長期間変わらないままだと、売れ残っている印象を与える場合があります。写真の並び順を変える、新しいコメントを追加するといった更新を担当者に依頼します。

季節が変わったのに古い時期の写真が載っている場合などは、撮り直しを依頼しましょう。

問い合わせが少ないときの見直しの考え方

売却活動を続けていても反応が薄いと、すぐに値下げを考えがちです。

しかし、価格を下げる前に、掲載写真、説明文、条件(引渡し時期など)を見直すポイントがあります。まずは現状を冷静に分析し、効果的な対策を順番に打ちましょう。

周りの売れ行きと自分の物件の状況を分けて整理する

問い合わせが少ない原因は、物件そのものにあるとは限りません。

市場全体の動きが鈍いのか、自分の物件だけが選ばれていないのかを切り分けて考えます。

不動産会社に依頼して、近隣エリアの競合物件の状況を確認してもらいましょう。

同じエリアの物件も動きが鈍い場合は、季節要因や金利の影響が考えられます。

「近隣の物件は成約している」場合は、自分の物件の価格設定や見せ方に課題があるのかもしれません。

他の物件と比較すれば、価格を見直すのか、見せ方を変えるのかが判断できます。

価格以外で変えられる点から見直す

買主が購入を決める要素は価格だけではありません。

引渡し時期や諸費用の負担といった条件を見直したり、設備を残すなど付加価値をつけたりすることで、購入の決め手になります。

見直しが可能な条件の例は以下のとおりです。

・引渡しの時期を調整する(即入居可にする、あるいは買主の希望に合わせる)
・エアコンや照明器具などの設備を置いていく(付帯設備として残す)
・測量や境界確認の費用負担を明確にする(戸建てや土地の場合)

特に引越しシーズンなどは、すぐに入居できる物件が好まれる傾向があります。柔軟な対応が可能であれば、それをアピールポイントとして広告に追記してもらいましょう。

値下げを検討する場合は理由と期限を決める

条件を見直しても状況が変わらない場合は、価格改定(値下げ)を検討します。このとき大切なのは、担当者と相談し、値下げの目的(検索条件に入れる、競合と比較されやすくするなど)と下げ幅を決めます。

理由なく100万円下げるのではなく、競合との比較や検索条件を踏まえた提案を不動産会社から受けましょう。

・競合物件の価格帯に合わせて、検索結果で比較されるようにする
・ポータルサイトの検索条件(3,000万円以下など)に引っかかる価格にする

また、「この価格で1か月様子を見て、反応がなければ次の手を打つ」といった期限の設定についても、担当者と合意しておきます。漫然と待ち続けるのではなく、不動産会社の担当者の意見を聞きながら期限を切って判断することで、売り時を逃さずに済みます。

値下げを検討する前に、売出価格の決め方と反響データの見方を整理しておくと、下げ幅やタイミングを判断しやすくなります。
不動産売出価格の決め方と値下げタイミング|ポータル運用ガイド

売買契約に向けて準備しておくこと


購入申込みが入ると、そこから売買契約までの期間は1週間から10日ほどで進みます。

直前になって慌てないよう、事前に必要なものを把握しておくとスムーズに対応できます。ここでは、契約日までに準備しておく書類や情報を整理します。

h3:必要書類は集めやすいものから揃える

契約や引き渡しの手続きには、多くの書類が必要です。市区町村役場で取得するものと

主な必要書類は以下のとおりです。

・権利証(または登記識別情報通知)
・印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
・実印
・本人確認書類(運転免許証など)

特に権利証(登記識別情報通知)は再発行ができません。紛失している場合は、司法書士による本人確認手続きなどの代替手段が必要になるため、早めに不動産会社の担当者に伝えてください。また、登記上の住所と現住所が異なる場合は、住所変更登記が必要になることもあります。

設備・修繕・生活環境の状況は分かる範囲で一覧にする

契約後のトラブルで多いのが、「設備の不具合」や「周辺環境(騒音など)」に関する認識のズレです。これを防ぐために、物件の状況を正確に伝える書類(付帯設備表・物件状況等報告書)を作成します。

これらの書類の書式は不動産会社が用意してくれます。売主は、自身の記憶や手元の資料をもとに、以下の項目について分かる範囲で書き出しておきましょう。

・給湯器やエアコンは故障していないか
・雨漏りやシロアリ被害の過去があるか
・騒音や振動、臭気など、生活環境で気になることはないか

「壊れているから売れない」ということはありません。正直に「壊れている」と伝えて合意すれば、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任※2)を問われるリスクを減らせます。ありのままの状態を共有することが、結果として自分自身を守ります。

また、過去に修理やリフォームを行った場合は、その内容が分かる書類(見積書や完了報告書、保証書など)を用意しておくと信頼性が高まります。口頭で伝えるだけでなく、客観的な記録があることで買主の安心感につながります。

付帯設備表や物件状況等報告書は、引渡し後の認識違いを減らすための重要な資料です。契約不適合責任と不具合の整理方法は、以下で具体例とともに解説しています。
契約不適合責任のトラブル回避術|物件状況確認書に書く不具合一覧

※2参照元:国土交通省「住宅業界に関連する民法改正の主要ポイント(PDF)

確認したいことは事前にまとめて質問する

契約当日は、重要事項説明や契約書の読み合わせなどで数時間を要します。緊張感のある雰囲気の中で、聞きたかったことを忘れてしまう売主も少なくありません。

不安な点は、契約日の前日までに担当者を通じて解消しておきましょう。

・手付金の金額と受け取り方法(振込みか、現金か)
・引き渡しの具体的な日程(いつまでに引越しを完了させるか)
・固定資産税や管理費の精算方法

疑問点を事前に解消しておけば、契約当日は落ち着いて手続きを進められます。大きな金額が動く場面ですので、些細なことでも遠慮せずに質問することが大切です。

売却活動を前に進めるための整理

不動産売却の成功は、ご自身の状況に合った媒介契約を選び、活動の透明性を確保することから始まります。「連絡が来ない」「状況が分からない」といった活動中の不安は、事前に連絡ルールを決め、定期的に客観的な数字を確認することで解消できます。

不動産会社にすべてを任せきりにするのではなく、情報を共有し合いながら売却を進めれば、納得のいく取引ができます。売却は新しい生活への準備です。焦らず一つずつ確認し、着実に準備を進めましょう。

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