期限ありの不動産売却|仲介と買取どっち?最短ルート診断法
「不動産を売りたいけど、仲介と買取のどちらの売却方法がいいのかな…」
「残置物や再建築が出来ないといった制約がある場合でも、本当に売却できるかな…」
このような悩みや不安を持っている方は多く、最適な売却ルートを見極められずに時間だけが過ぎてしまうケースもあります。
この記事を読むことでご自身の不動産の期限や、物件の制約条件から仲介や買取の可否を判断できるようになります。
また、売却までの最短ルートが明確になり、残置物がある場合の具体的な手順や再建築不可物件の買取可否も含めて、合理的な意思決定ができるようになります。
全体像から整理するなら、仲介と買取のどちらが合うかを判断するために、仕組みと相場感を全体像から整理するとスムーズです。
仲介売却と買取の違いとは|千葉県の相場と最適な売却方法の選び方
自分に合う売却方法とは?状況別の判断基準

不動産の売却方法には、市場の買主を探す「仲介」と不動産会社が直接買い取る「買取」の大きく2つの選択肢があります。自分の状況に合わない方法を選ぶと、売却までに時間がかかったり手取り額が想像以上に減ったりするリスクがあります。
最適な売却方法を診断し、スムーズに取引を完了させるためには自分の「期限」「物件の制約(傷があるなど)」「占有状況」の3つのポイントから初期分岐の基準を決めることが重要です。
参照元:国土交通省「消費者の皆様向け不動産取引に関するお知らせ」
仲介と買取の違いを一度整理しておくと、価格と期間の見立てが立てやすくなります。
初めての不動産売却|仲介と買取の違いは?価格と期間で選ぶ判断基準
初期分岐の基準を期限・瑕疵・占有状況で整理する
仲介と買取のどちらを選ぶかの初期判断は「売却完了までの期限」や「物件の抱える問題(瑕疵)」「物件に人が住んでいるか(占有状況)」などから整理できます。
特に転勤や離婚、手元の資金が追いつかない状況では、期限のある売却が必要です。
時間がかかっても高値が期待できる仲介ではなく、即時買取ができる買取が有力な候補となります。
また、再建築ができなかったり残置物があったりといった条件がある物件は、一般の買主(個人)には売却が難しいケースもあり、専門の不動産買取会社に現状のまま売却することも重要な選択肢です。
・仲介:時間をかけてでも高く売りたい。期限まで余裕がある。物件の状態が良い。
・買取:期限が決まっていて確実に売却したい。再建築不可や残置物など制約が多い物件。内見対応の手間を避けたい。
H3価格・期間・確実性の優先順位を決める
不動産売却における成功の定義は人それぞれですが、重要な要素としては「価格」「期間」「確実性」の3つが挙げられます。
この3つのうち、何を優先するのかによって仲介と買取の使い分けが決まります。
期間や確実性より、少しでも高い成約価格を目指すなら、仲介がおすすめです。
一方、価格よりも売却の可否を判定し、とにかく期限内に完了させたいなら買取が向いています。
【売却方法の基本方針】
・価格優先:仲介での売却(売却期間の目安は3か月〜半年以上)
・期間と確実性優先:買取または買取保証(売却期間の目安は数週間〜3か月)
ご自身の状況(期限あり・瑕疵ありなど)に合わせて、何を妥協して何を最優先したいのかを明確にすることで、スムーズな売却へとつながります。
期限がある場合の判断の条件
転勤や買い替え、離婚などで「この日までに不動産を売却しなければならない」という期限が決まっている場合は、時間をかけて市場で買主を探す仲介では間に合わないリスクがあります。
このような期限ありの売却では、「買取」を軸として仲介による市場売却の可能性も考慮した「買取保証」などの柔軟な売却方法を検討し、確実性を高めることが重要です。
期日から逆算して売却方式を確定
期限が迫っている場合は、まずその期日から逆算して各売却方法の売却期間を当てはめることで選択肢を絞り込むことができます。例えば、売却完了まで1か月しかない場合は即時買取が現実的です。
逆に、期限まで長期の余地がある場合は、一度仲介で市場に出して売れなかった場合に買取に切り替える「買取保証」を検討するのも良いでしょう。
| 売却完了までの期間 | 適した売却方式 | 特 徴 |
|---|---|---|
| 1か月以内 | 即時買取 | 早期の現金化、確実な売却可否判定 |
| 3ヶ月〜6ヶ月程 | 買取保証 | まずは仲介で高値に挑戦、ダメなら買取 |
| 3か月以上 | 仲介 | 市場価格での売却を目指す |
売却期間は、不動産会社の選定や必要書類の準備期間も含めて、余裕をもって見積もることがタイムロスを避ける鍵です。
買取保証と即時買取の適用条件を確認
買取には、大きく分けて「即時買取」と「買取保証」の2種類があり、期限がある売却において非常に有効な選択肢です。
即時買取は、不動産会社が査定後すぐに物件を買い取る売却方法で、早ければ1週間〜2週間程度で現金化可能です。
一方、買取保証は一定期間は仲介で売却活動を行います。
期間内に買主が見つからなかった場合は、事前に決めた金額で不動産会社が買い取る仕組みです。
買取保証は仲介と買取の使い分けを、柔軟にできるのが魅力です。
しかし、どちらも買取価格が仲介で売れた場合よりも価格が安価になることを理解しておく必要があります。
つなぎ融資やリースバックの利用を検討
期限ありの売却では、新しい住まいの購入資金の支払いが先に発生し、売却代金の入金が間に合わないリスクがあります。
この場合、つなぎ融資を利用することで、売却代金が入金されるまでの間、一時的に不足する資金を借り入れることができます。
また、売却後もその家に住み続けたい、引越し時期を調整したいという場合はリースバックという売却方法も検討できます。
リースバックは、不動産を売って現金化した後、その家を賃貸として借りる仕組みで生活への影響を最小限に抑えながら資金を確保したい場合に適しています。
残置物がある場合の売却方法
家財や不用品が大量に残された「残置物あり」の物件は、一般の買主にとって大きな負担となるため、仲介での売却が難しくなる場合があります。
残置物を残したまま売却を進めるには、現状のままでの引き渡しや専門の不動産買取会社を利用するといった売却方法の選択も必要です。
ここでは、残置物がある物件を売る際の手順と費用について解説します。
現状有姿のままで売却できるかを確認する
不動産取引における現状有姿とは物件の傷や汚れ、設備の故障などをそのままの状態で引き渡すことを意味します。
仲介で一般の買主に現状のままで売却する場合、買主が残置物を引き取ることを売買契約の特約として明確に合意する必要があります。
一方、不動産買取会社に売却する場合は、残置物の処分を前提として買取価格を算出します。現状有姿のままで引き渡しが可能になるケースが多く、売却手順が大きく簡略化されるメリットがあります。
撤去費用と負担を整理する
残置物の撤去費用は、原則として売主が負担するのが一般的です。しかし契約条件によって買主負担とすることも可能です。
仲介の場合、売主が費用を負担して残置物をすべて撤去することで内見時の印象が良くなり、より高値売却につながりやすくなります。
買取では、撤去費用は買取価格から差し引かれる形で実質的に売主負担となることが多いですが、売却前に家財の撤去費用の負担を心配する必要はありません。
なお、売却のためにやむを得ず負担した残置物撤去費用は、一定の条件を満たせば「譲渡費用」として計上できる可能性もあるので、一度税理士などの専門家への相談をおすすめいたします。
再建築不可や境界未確定物件を売却する戦略

土地が再建築が不可能であったり、隣地との境界が未確定であったりする物件は、通常の物件に比べて買い手が限定されるため専門的な売却戦略が必要です。
こうした制約付きの物件は、一般の個人ではなく瑕疵のある物件を扱う不動産買取会社への売却がよりスムーズでしょう。
ここでは、仲介と買取の成約価格の目安と、再建築不可などの制約を解消するための選択肢を比較します。
仲介と買取それぞれの成約価格の目安
再建築不可物件や境界未確定物件を売却する場合、仲介と買取では成約価格に大きな差が出ます。
仲介の場合、再建築不可や境界未確定といったリスクを許容できる買主が見つかれば、市場価格に近い価格で売れる近い可能性もあるかと思います。
しかし、買主が見つかるまでに非常に長い時間を要するケースも多く、実際に売れるかどうかの見極めが難しくなります。
一方、専門の不動産買取会社はこれらの制約を織り込んだ価格で買取できることも多く、市場価格よりは買取価格は下がりますが買取可能なケースも多くあります。また短期間で確実に現金化できるメリットがあります。
隣地交渉や用途変更などの選択肢を比較
再建築不可の要因が接道義務を満たしていないことである場合が多く、隣接地の所有者と交渉して土地の一部を買い取るなどの隣地交渉によって問題を解消できる可能性があります。
また、境界未確定の場合は売主の費用負担で測量を行い、境界確定の手続きを進めてから売却する方が仲介での高値売却につながりやすくなります。
ただし、これらの手続きには数か月〜1年程度の期間と、数十万円〜数百万円の費用がかかるため期限がある売却ではハードルがあります。
売却可否判定を急ぐ場合は、コストや時間をかけずに現状のまま不動産買取会社に売却するのも選択肢の一つです。
参照元:国土交通省「接道規制のあり方について」
所有者の合意と売却に必要な書類準備
一つの不動産に対して所有者が一人とは限りません。
不動産に複数の所有者が存在するケースは沢山あり、所有者が7人というケースなどもあります。
原則としては、不動産全体を売却するのであれば共有者全員の合意が必要になるので
夫婦や兄弟など複数の人で物件を共有している場合は、売却手順を始める前に全ての共有者の同意が必要です。
ここでは、共有者の同意を得て売却に必要な書類準備を抜け漏れなく進めるためのポイントを解説します。
共有者の同意を得て委任状などを準備する
物件が複数の人の共有名義になっている場合は、売却の契約行為には共有者全員の同意が必要です。
共有者間の合意が取れていない状態では、そもそも売却できるかどうか判断できず、仲介ででの売却、不動産会社の買取、どちらを選んでも契約に進むことはできません。
遠方に住んでいるなど、共有者全員が契約に立ち会えない場合は売却行為を一任する委任状や同意書類などを事前に準備しておく必要があります。
特に離婚など期限がある売却では合意形成に時間がかかりやすいため、できるだけ早い段階で全ての共有者と話し合いの場を持つことも必要になってきます。
測量や境界確定など法的手続きを進める
売却の確実性を高めるためには、境界未確定の状態を解消するための法的手続きを売主側で進めておくことが有効です。
測量を行い、隣地との境界確定を済ませてから売却に臨むことで買主が安心して購入できる状況が整います。
特に、仲介で一般の買主に売却を目指す場合は、境界未確定という制約があると敬遠されやすいため、事前に法的手続きを進めておくことは非常に有効です。
しかし、これらの法的手続きには費用と期間がかかってしまいます。
期限あり売却で時間がない場合は現状有姿での即時買取を検討し、手続きを省略することも合理的な選択となります。
参照元:法務省「筆界特定制度」
売却手続きの全体像を先に押さえると、次に何をすべきかが明確になります。
初めての不動産売却でも安心|支払いのタイミングまで完全解説
要点の再確認と次の行動
不動産売却における最適な売却方法の選択は「価格」も勿論ですが「期限」や「確実性」を優先するかで大きく異なります。
期限がある売却や残置物ありまたは再建築不可といった制約がある場合は、仲介売却で市場価格に近い価格で売却することよりも、買取による確実性とスピードを最優先することで長期間売却できないことの機会損失や、手間などを減らしたスムーズな売却が可能なケースもあるかと思います。
まずは、あなたの物件が仲介と買取のどちらで売却するのが適切かを見極め、、必要に応じて買取保証や即時買取といった選択肢も持っておくと視野も広がるのではないでしょうか。
また、共有者間の合意や共有者との同意書類の準備など、売却を始める前の手順を確実に行うことでタイムロスを避けることも出来るかと思います。